黒い羊は嗤わない〜悪意の欠片 ネタバレ結末 第2話 坂口みく
殺人鬼の妹であることを隠して、世間の目から逃れるように下町の小さな食堂で働いていた美月。
常連客のしつこい秋山の誘いを断り、両親の墓参りを済ませた美月をストーカーのように夜道で待ち伏せされて・・・
罪もない女性が兄の犯罪により、どこに行っても人生をぶち壊される、理不尽な展開です。
「黒い羊は嗤わない」第2話のあらすじとネタバレ
秋山の待ち伏せ
仕事帰りの美月を夜道で待っていた秋山。
映画デートをすっぽかした美月に、「この前はショックだったよ」と責める。
自宅まで送ってあげるよ、といい人そうな笑顔を浮かべつつ、「お茶くらい飲ませてくれるよね」と美月が断れないように仕向け、仕方なく部屋にあげてしまう。
本性をあらわし、襲いかかる!
亡くなった両親の写真を見たり、「何もない部屋だね」と物色する秋山。
「エリートの俺に引け目を感じてるだけだよね?
遠慮することない、俺の胸に飛び込んでおいで」
美月が自分との交際を断るのは、親もない貧乏暮らしをしているからだろう、と秋山は迫ってきた。
「やめて!」
美月は秋山を突き飛ばして帰ってください、と言うが秋山は怒りだして美月の頬を叩く。
「おまえみたいな貧乏女を相手にしてやろうってのに。
痛い目にあいたくなかったら、騒ぐなよ」
と、口を押さえつけて押し倒した。
康太に助けられる
「大丈夫か、美月ちゃん」
悲鳴を聞いて、辻康太が部屋に入り秋山から美月を救い出してくれた。
彼は兄の友人で、今は弁護士をしており、昔から美月を気にかけてくれる存在だった。
「急に殴りやがって!警察呼ぶぞ」
強がる秋山。
康太が自分は弁護士だ、警察にキッチリこの状況を説明してやると言われて、秋山は「覚えてろよ!」という捨て台詞を吐いて逃げていった。
兄の頼りになる友人
康太は兄・竜一の中学からの友人で、あの事件後にも兄の無実を信じ、ずっと美月を守ろうとしてくれていた。
当時は学生だったし力になれなかったけれども、今は違う。
本当の兄さんだと思って、なんでも相談して。
そんな優しい言葉をかけてくれるのは、彼だけだ。
でも、最近康太は婚約したばかりで、自分のような人間が関わってはいけないと避けていたのだった。
「何かあったら、すぐ連絡して」
康太のおかげで事なきを得たが、翌日、とんでもないことが起こる。
秋山に事件がバレる
憎しみの塊になった秋山は、ネットで康太の情報を調べて弱みを握ろうとしていた。
そして、弁護士としての彼の経歴から、美月につながる情報を発見し「事件」のことを探り当てた。
「ハハハ!そうだったんだ!美月!」
美月が自分を拒んだ理由ーーそれは暴露されたら、普通に生活できないほどの爆弾だった。
嫌がらせで真実を暴露される
食堂に朝到着した美月はものものしい雰囲気に驚く。
何度も無言電話や、中傷する内容の電話が届き、とうとう食堂の夫婦に「犬養竜一の妹」であることがバレてしまったのだ。
やさしいおかみさんは「お兄さんのことであなたが理不尽な目にあうのはおかしい」と、やめることはないとかばってくれる。
「一生逃げ続けることなんてできないんだから、立ち向かわなきゃ」
そう言ってくれて救われた気持ちになる美月だったが、翌日から始まった店への嫌がらせは想像を絶するものだった。
面白半分に、美月の写真を撮ろうとする客。
無言電話だけではなく、ウソの注文もある。
ガラの悪い若い連中が食べ散らかして「お姉さんが殺人者の妹?」とからかう。
そして壁には「人殺し」という落書きが・・・
客はどんどん減っていき、とうとう店の中は無人になってしまった。
勝ち誇る秋山
秋山が食堂にやってきて「殺人鬼の妹、犬養美月ちゃん」と呼び、「とんだ疫病神ですね」と、落ち込んだ雰囲気に包まれる店で勝ち誇る。
「この女、家出したあとエンコーしてたんですよ」
と言い出し、おかみさんの美月を見る目が変わった。
そして学校でいじめられて泣いて帰ってきた娘を見て、優しかった食堂の夫婦の目が、はじめて「疫病神を見る目」に変わっていた。
悪意が、私を殺す・・・美月は、やっと築いた小さな平穏をまた失ったのだった。
「黒い羊は嗤わない」第2話の感想
うわー、自信過剰なサイコパスストーカー男・秋山によって襲われかけ、思いを遂げられなかった仕返しに過去の黒い記憶を掘り返されてしまいました。
人の悪意、冷たさ、というどうしようもない壁にはばまれて、美月は再び兄の犯罪によって不幸に突き落とされます。
それにしても、いくら犯人の妹だとわかったからって、ここまでひどいことになるかなあ。(漫画ですケド)
「何も悪いことをしてないなら逃げちゃだめ」なんて言っていたおかみさんでさえ、悪意が自分たちに向けられ始めると美月を厄介者扱いはじめて、人ってこうだよなあと悲しくなったり。
自分が一番大事。火の粉がふりかかってきたら、美月が悪くないと知っていても切り捨てるしかない。
足元から日常が崩れ去っていった美月は、次回、やむない形で再出発します。
第3話の感想